中国の化粧品ブランド、花西子が海外戦略を変更しつつある。米国と中国の貿易対立の激化が、米国での事業拡大という野心的な計画に影響を及ぼしているためだ。

杭州に本社を置く花西子は現時点では日本と東南アジア、欧州を重視しているとグローバル市場担当プレジデント、ギャビー・チェン氏がブルームバーグテレビとの14日のインタビューで明らかにした。花西子の英語ブランド名は「Florasis(フローラシス)」。

同氏は「グローバル市場では大きな政治的変化が起きている」と指摘。「われわれは戦略の重点を米国のマーケットから東南アジアに転換したが、それ以前は米国が最も重要な海外市場だった」と述べた。

グローバル市場担当プレジデントのギャビー・チェン氏が語る

花西子は、アリババグループの「天猫(Tモール)」や動画共有アプリ「TikTok」の中国版「抖音」など、中国の人気オンライン市場で売上高上位のコスメブランド。現在の出荷先は100カ国を超える。

花西子の方針転換は、中国の貿易構造の変化を反映している。中国の輸出は9月に予想を上回る伸びを示した一方、対米輸出は27%減少した。欧州連合(EU)を含め、米国以外の市場からの需要が増加し、全体の伸びを下支えした。

花西子はこうした流れを捉え、グローバル顧客の基盤拡大を図っている。TikTok上では100万人超のフォロワーを獲得し、年間約1500人の米国在住インフルエンサーと提携している。同社は米市場では引き続き「安定している」とチェン氏は説明した。

同氏によると、米国でのデジタル展開は新たな市場進出に向けた基盤づくりとなっているが、現在のところ米国での投資ペースは拡大していないという。

チェン氏はまた、花西子のソーシャルメディア上での露出の中心は依然として米国だとし、「多くのインフルエンサーと引き続き協業しており、ソーシャルメディアでの活動も継続している」と語った。

原題:China Beauty Brand Shifts Expansion Plan as US Tensions Rise (1)(抜粋)

--取材協力:Allen K Wan.

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