日本維新の会の吉村洋文代表は15日、自民党の高市早苗総裁と党首会談を行い、新たな連立政権樹立も視野に政策協議を開始することで一致した。

吉村氏は会談後の記者会見で、政策協議が20日までに合意すれば、首相指名選挙で同党は高市氏に投票する考えを明らかにした。第1回の協議は16日、自民から高市総裁と小林鷹之政調会長、維新から藤田文武共同代表、斎藤アレックス政調会長が参加して行う。

公明党の連立離脱を受け、臨時国会での首相指名選挙に向けた各党の駆け引きが活発化していた。衆院会派で35議席の維新が高市氏に投票すれば自民と計231議席と過半数の233に迫り、高市氏が首相に選出される可能性が高まる。自民、維新の政策協議がまとまるかが今後の政局の焦点となる。

社会保障改革、副首都構想

会談で高市氏は、連立政権樹立を含めた首相指名選挙での協力を吉村氏に要請。吉村氏が政策協議の開始を受け入れた。

吉村氏は、高市氏からは維新が重視する社会保障制度改革に賛意を得たほか、副首都構想にも同じ考えだとの表明があったことから、「政策協議を開始する土台はあると判断した」と説明した。

両党の間で隔たりのある「政治とカネ」を巡る問題についても政策協議の対象とする考えを明らかにした。維新は企業・団体献金の禁止を求めてきた。

これに対し、高市氏は維新について「基本政策はほぼ一致している」と記者団に語った。外交やエネルギー政策は自民と「あまり変わらない」とし、他の政策での詰めに時間を割くことになるとの見通しも示した。

 

野党党首会談

首相指名選挙を巡っては、立憲民主党が野党統一候補の擁立に向け、維新や国民民主党に連携を呼び掛けている。自民、維新の会談に先立ち行われた3党党首会談では安全保障やエネルギー政策に関して一致に至らず、幹事長らが継続協議することになった。

統一候補と想定される国民の玉木雄一郎代表は、会談で立民の野田佳彦代表からは政権構想は3党を軸とした少数与党になると発言があったとして、「仮に私が首相に選ばれたとしても政権運営が厳しい状況になる」と記者団に語った。

首相指名選挙の日程を巡っても、与野党間での協議が続いている。衆院事務局によると15日の議院運営委員会の理事会では21日に国会を召集することを決定したが、選挙の実施日については合意に至らなかった。

共同通信によると、自民党が同日に実施する日程を提示したものの、野党側が政党間協議が続いているとして応じなかったという。

(自民党の高市総裁、維新の吉村代表の発言を追加し、更新しました)

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