米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は15日、訪問先の中国で対中投資の強化を表明した。ただ、トランプ米大統領はアップルが「iPhone」を米国で製造しない場合、少なくとも25%の関税を課す考えを示している。

中国工業情報省の微信(ウィーチャット)への投稿によると、クック氏は李楽成工業情報相と北京で会談した。李氏はアップルが中国のサプライヤーとより緊密に連携するよう促し、クック氏は中国との協力を強化する考えを示したという。

中国はアップルにとって米国以外で最大の市場で、自社製品生産の中核も担っている。

クック氏は中国滞在中、人気キャラクター「ラブブ」の生みの親である龍家昇氏と会ったことや、上海のアップルストアを訪問したことを微博(ウェイボ)に投稿した。また、中国の名門、清華大学に寄付したことも明らかにした。

アップルはここ数年、サプライチェーンの分散化を進め、インドなど中国以外の国への生産移転を図っている。しかしiPhoneの大半は今も中国で生産されている。

アップルは米国内での製造拠点拡大に取り組む一方、他の国・地域の生産能力を増強している。中国依存を軽減するため、ベトナムでも新たなスマートホーム機器を製造する準備を進めているが、サプライチェーンの分散化は順調ではない。

中国でiPhoneの受託生産を手がける台湾のフォックスコン・テクノロジー・グループは今年、インドの自社iPhone工場に派遣していた数百人の中国人技術者ら中国に戻し、アップルのインドでの増産計画は打撃を受けた。

ブルームバーグ・ニュースは、この動きに先立ち中国当局が規制機関や地方政府に対し、インドや東南アジアへの技術移転や機器輸出を抑制するよう働きかけていたと報じていた。

原題:Apple’s Cook Vows to Boost Chinese Investment During Visit(抜粋)

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