サッポロホールディングス(HD)が売却を進める子会社サッポロ不動産開発(東京都渋谷区)を巡り、米投資ファンドのKKRやPAGの陣営が買い手の最有力候補となったことが15日、分かった。事情に詳しい関係者が明らかにした。

関係者によると、KKR陣営が優先交渉権を獲得した。売却価格は4000億円超になる見通しで、11月中の合意を目指している。現在も協議中で最終的に契約に至らない可能性もある。KKR陣営による優先交渉権獲得などについては日本経済新聞が先に報じていた。

サッポロ不動産開発の代表的な保有・運営物件は「恵比寿ガーデンプレイス」だ。JR恵比寿駅に直結し、オフィスビルをはじめ商業施設やホテル、住宅などで構成する都内屈指の大型複合施設で、1994年10月に開業した。サッポロHDは売却資金の活用により主力の酒類事業の強化などが可能になる。

サッポロHDは同日、現時点で具体的に決定している事実はないとした上で、「不動産事業への外部資本導入のプロセスを進めている」とし、年内に結論を出すとのコメントを発表した。KKRの広報担当者はコメントを控えるとしている。PAGの担当者にコメントを求めたが、回答は得られていない。

同日の取引でサッポロHDの株価は一時前日比5.7%高の7986円まで上昇。約5カ月ぶりの高値を付けた。

サッポロHDの不動産事業を巡っては、物言う株主(アクティビスト)で筆頭株主の3Dインベストメント・パートナーズが、酒類事業の業績不振を隠すものだとして売却を求めていた。サッポロHDはフィナンシャルアドバイザーに野村証券を選定し、不動産事業への外部資本導入などに関する提案の募集を24年9月から始めていた。

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