(ブルームバーグ):立憲民主、日本維新の会、国民民主の3党は15日午後、国会内で党首会談を開いた。首相指名選挙での連携を協議したが、統一候補と想定される国民の玉木雄一郎代表は少数与党での政権運営は困難と慎重な見解を示した。
玉木氏は、会談で立民の野田佳彦代表からは政権構想は3党を軸とした少数与党になると発言があったとして、「仮に私が首相に選ばれたとしても政権運営が厳しい状況になる」と語った。
14日の3党幹事長会談で国民は集団的自衛権の行使を一部容認した安全保障法制、「原発ゼロ」を掲げた綱領の見直しが可能かなどについて立民に回答を求めており、野党連携の行方は政策面で立民が歩み寄れるかも焦点となっていた。
玉木氏は、党首会談で野田氏から安保法制が違憲との主張は維持し、原発ゼロの綱領は見直さず、新増設も認めないとの回答があったと記者団に語った。立民とは政策に依然隔たりがあるとした。その上で、「調整の時間は最低でも数日残っている」とし、「先方も努力をされるのでこちらも真摯(しんし)に向き合いたい」と述べた。
これに対し、立民の野田代表は会談後の記者会見で、互いの考え方を理解し合えれば政権運営は可能だと強調。首相指名に向け詰めの議論を行い、今週から来週にかけて再度、党首会談を行うこともありえるとの見方を示した。
自民、公明両党の連立解消を受け、立民は首相指名選挙の野党候補一本化に動いている。仮に立民、維新、国民が統一候補を擁立できれば3党の衆院会派で210議席となり、自民党の196議席を上回るからだ。3党は今後、幹事長・国対委員長で協議を続ける。
自民・高市氏も個別に党首会談
一方、自民党の高市早苗総裁も15日、野田、玉木両氏と相次ぎ党首会談を行った。高市氏は玉木氏との会談で首相指名選挙での協力を要請した。国民とは経済対策など基本政策が近いとして「一緒に責任を担っていきたい」と連携を呼び掛けた。
高市氏は同日夕に維新の吉村洋文代表とも会談する予定だ。野党3党のうち維新が自民の高市氏に投票した場合は231票となり、過半数の233に近づく。
首相指名選挙の日程を巡っても、与野党間での協議が続いている。衆院事務局によると15日の議院運営委員会の理事会では21日に国会を召集することを決定したが、選挙の実施日については合意に至らなかった。
共同通信によると、自民党が同日に実施する日程を提示したものの、野党側が政党間協議が続いているとして応じなかったという。

(立民、維新、国民の3党首会談の情報をさらに追加しました)
--取材協力:村上さくら、野原良明.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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