米国の中小企業の景況感は9月に3カ月ぶりの低水準となった。経済見通しに対する楽観が後退し、過剰在庫に対する懸念が高まったことが背景にある。

全米自営業連盟(NFIB)が14日に発表したデータによると、9月の中小企業楽観度指数は2ポイント低下して98.8となった。指数を構成する10項目のうち、5項目が悪化し、3項目は横ばいだった。

今後6か月間の事業環境が改善すると回答した経営者の割合は差し引き23%と、前月から11ポイント低下。在庫水準が「低過ぎる」とみる経営者の比率は大きく縮小し、1997年以来の大幅な低下となった。これに伴い、販売増を見込む企業の割合も低下した。

中小企業楽観度指数

インフレへの不安も高まっている。事業運営上の最大の課題として「コストの上昇」を挙げた経営者は14%で、前月から3ポイント上昇した。今後3か月以内に「価格を引き上げる」と答えた企業の割合は31%と、5ポイント上昇して6月以来の高水準となった。

NFIBのチーフエコノミスト、ビル・ダンケルバーグ氏は発表文で「大半の経営者は自社の現状を健全と評価しているものの、インフレ圧力の高まりや販売見通しの鈍化、労働市場の課題への対応を迫られている」と述べた。

不確実性指数は7ポイント上昇の100と、今年2月以来の高水準となり、今が事業拡大の好機だとみる企業の割合が減ったことが示唆された。

それでも、事業の健全性そのものは8月と大きく変わらなかった。経営者の68%が自社の事業を「非常に良い」または「良い」と評価し、「まずまず」との回答比率は27%だった。

原題:US Small-Business Optimism Falls to Three-Month Low on Economy(抜粋)

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