(ブルームバーグ):米司法省は、性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米実業家ジェフリー・エプスタイン氏を巡る捜査で収集した写真や通話記録など、数千ページにわたる資料を公開した。故エプスタイン氏と著名な経営者や政治家との関係に関する新たな詳細が明らかになった。
ただ、資料が膨大で法律が定めた期限である19日までに処理しきれず、今後数週間かけて追加公開する方針。民主党議員からは対応の遅れに批判が出ている。生存する被害者の保護や継続中の捜査への配慮などにより、資料には大量の黒塗り箇所が含まれている。
公開資料にはビル・クリントン元大統領の写真が一部含まれていた。トランプ政権当局者はSNSで、クリントン氏が性的虐待疑惑のあった故マイケル・ジャクソン氏やエプスタイン氏の側近ギレーヌ・マクスウェル氏と写る写真を強調。これに対し、クリントン氏の広報担当者は政権側が世論の目をそらそうとしていると非難した。
今回の開示は、11月に連邦議会が圧倒的多数で可決した、エプスタイン氏に関連する資料公開を義務付ける法律に基づく。トランプ氏は抵抗を続けてきたが、共和党内からの圧力もあり署名に応じた。
新法は捜査記録やフライトログ、渡航関連書類、訴追免責に関する資料、司法省内部のやり取り、2019年のエプスタイン氏の死亡経緯などの公開を義務付ける一方、生存する被害者の保護や継続中の捜査に関わる部分は例外としている。
公開資料には、トランプ氏とメラニア夫人がマクスウェル氏と共に写る写真が少なくとも1枚含まれている。ただし、トランプ氏に関する資料は初期の精査では比較的少ないとみられる。
このほか、英ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏、ハリウッドスターのケビン・スペイシー氏、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏など著名人や経営者が写る写真も含まれている。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社大手アポロ・グローバル・マネジメントの共同創業者レオン・ブラック氏およびデブラ夫人名義のバンク・オブ・アメリカ(BofA)の明細も含まれている。
ブラック氏とエプスタイン氏の関係はこれまでも詳細に報じられている。ブラック氏は2012-2017年にかけて、税務助言の対価として少なくとも1億5800万ドルをエプスタイン氏に支払っている。
捜査資料の完全公開が見送られたことを巡り、民主党議員らはトランプ氏を守るためだと主張。上院司法委員会の民主党側の報道官は「完全公開の見送りは法律違反であり、トランプ氏らを保護し、ボンディ司法長官や連邦捜査局(FBI)のパテル長官による隠蔽(いんぺい)を継続するものだ」と非難した。
一方、ホワイトハウスのジャクソン報道官は声明で「トランプ政権は史上最も透明性の高い政権だ」と反論。エプスタイン氏と親交のあった民主党関係者への追加捜査を求める姿勢を強調した。
ブランチ司法副長官は19日付の議会宛ての書簡で、新法の対象となる資料の特定に200人超のチームを投入したと説明。被害者やその親族は1200人を超え、個人の特定を避けるため、氏名などは黒塗りにしたという。
一方、膨大な資料の精査に時間を要し、19日までに全ての資料を公開するという法律上の要件を満たすことは不可能だったとも説明。「現在進行中の精査は今後2週間以内に完了する」とした。
公開サイトにはアクセスが集中し、閲覧のための順番待ちが発生するなどアクセス制限が敷かれた。司法省は検索機能を設けたものの、手書き文書などの形式的制約から「結果の信頼性に欠ける可能性がある」と認めた。
エプスタイン問題の再燃は、経済運営への不満に直面するトランプ氏にとって新たな政治的リスクとなる。
トランプ支持層の一部は以前から情報開示を求めてきたが、今回の公開をどう受け止めるかは不明。2019年の勾留中の死亡を巡っては、当局が自殺と断定した後も陰謀論が依然としてくすぶっている。
原題:Epstein Document Trove Includes Celebrity Photos, Redacted Files(抜粋)
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