調査会社クレディットサイツは、農林中央金庫が間接出資する売掛債権買い取り(ファクタリング)会社が、米自動車部品メーカーの破綻に関連して多額の債権を抱えていることに関して、損失が発生した場合でも、農林中金の自己資本への影響としては十分に吸収可能との見方を示した。

ブルームバーグは10日、農林中金と三井物産が大株主であるJA三井リースの完全子会社カツミ・グローバルが、経営破綻したファースト・ブランズに関連した17億5000万ドル(約2700億円)の債権を保有していたと報道した。

クレディットサイツ・アジア太平洋リサーチ部門責任者のプラモッド・シェノイ氏は14日付のリポートで、仮に同債権を全額損失処理した場合、農林中金は税前利益ベースで890億円の損失を被る可能性があると指摘した。

  • リポートでは、農林中金は持ち分法適用会社としてJA三井リースの株式33.4%(議決権ベース)を保有しており、同社が被る損失は比例して農林中金に影響すると指摘
  • 税後利益ベースでの最大損失額は、農林中金の6月末時点の中核的自己資本(CET1)比率17.84%に対して約26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と試算され、同金庫にとっては容易に吸収可能な水準とも指摘
  • JA三井リースの3月末時点の純資産は3350億円と最大損失を吸収可能
  • 「最悪のシナリオ」として、JA三井リースが自己資本増強を迫られる事態を挙げた

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