今年のノーベル平和賞の受賞者に関する情報が事前に流出した可能性を巡り、ノルウェー当局は、サイバースパイ活動が最も有力な原因とみている。

ノーベル平和賞をベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏が受賞するとの発表がある数時間前に、オンライン賭け市場ポリマーケットで、マチャド氏への賭けが急増したという報告があり、ノルウェー・ノーベル研究所が10日から調査している。同研究所のクリスティアン・ベルグ・ハルプヴィケン所長は13日、調査は現在も継続中と述べた。

ハルプヴィケン氏はテキストメッセージで、「研究所は組織的なスパイ活動の標的となっており、これは長年の問題だ。内部の誰かが情報を盗み出し、それによって多額の利益を得た可能性が高い」と述べた。調査期間の見通しについては明らかにしなかった。

ポリマーケットを利用するあるトレーダーは、発表の数時間前にマチャド氏の勝利に約7万ドル(約1100万円)を賭けた。ポリマーケットのウェブサイト上のデータによると、このトレーダーは今月ポリマーケットの口座を開設したばかりで、他の市場に賭けたことは一度もないが、約3万ドルの利益を得た。

ノルウェー紙フィナンサビセンは10日、ポリマーケットで主にマチャド氏勝利に賭けていた3つのアカウントが、合計で約9万ドルの利益を得たと報じた。

原題:Norway Suspects Espionage in Nobel Peace Prize Winner Breach(抜粋)

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