トランプ米大統領は10日、英製薬大手アストラゼネカと、一部処方薬の価格を大幅引き下げる代わりに医薬品関税を3年間免除することで合意したと発表した。米国民の医療費負担軽減を目指す米政権は先に米ファイザーとも同様の取り決めを結んでいた。

トランプ氏は10日、大統領執務室でアストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)と共に会見し、「英国最大の製薬会社アストラゼネカは、膨大な処方薬のラインアップについて、米国民に大幅な割引を約束した」と述べた。

同社は今後米国で発売するすべての新薬に他の先進国での最低価格を適用するほか、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)加入者向けに大幅に値引きを行うとされた。

さらにアストラゼネカは直販サイトで取り扱う製品数を増やす予定。トランプ氏はその価格について、「大幅な値引き」になると述べた。また、近く立ち上げ予定の医薬品販売サイト「TrumpRx」でも医薬品を提供する計画だ。

トランプ政権当局者は、ファイザーなどのこうした動きについて、政府によるより厳しい価格規制を回避するための自主的措置だと指摘している。

トランプ氏は今年の夏、世界の主要製薬会社17社に書簡を送り、メディケイド向け薬価の引き下げや割引価格での直接販売などを要求していた。

トランプ米大統領は英アストラゼネカとの合意を発表

原題:Trump Announces AstraZeneca Drug Price Cuts for Tariff Reprieve(抜粋)

--取材協力:Jennifer A Dlouhy.

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