ビットコインが最高値を更新してからわずか数日後、暗号資産(仮想通貨)市場でトレーダーが過去最大規模のロスカット(強制清算)を強いられた。トランプ米大統領の対中追加関税とソフトウエア輸出規制の発表をきっかけに市場のボラティリティー(変動率)が急拡大した。

トランプ氏は10日、11月1日から中国に対し100%の対中追加関税を課すとともに、重要ソフトウエアの対中輸出規制を導入すると発表。これを受け、仮想通貨が急落した。暗号資産データ会社コイングラスによると、この急落が「暗号資産史上最大の清算イベント」を引き起こし、その結果、売りがさらに加速したという。

10日の前から市場の軟調が続いていたが、トランプ氏の発表をきっかけにビットコインは12%強急落。今週、過去最高値の12万5000ドル強を付けたビットコインは、ニューヨーク時間10日夜には11万3000ドルを割り込んで推移した。

コイングラスのデータによると、過去24時間で190億ドル(約2兆9000億円)超相当の建玉が消滅し、160万人以上のトレーダーがロスカットを強いられた。このうち70億ドル超のポジションが10日のわずか1時間内に清算されたという。

原題:Trump Tariffs Upend Crypto Market, Trigger Record Liquidations(抜粋)

--取材協力:Dave Liedtka.

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