全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の速報値によると、テスラの中国工場からの出荷は9月、前年同月比2.8%増の9万812台だった。今年のテスラ上海工場からの出荷(卸売ベース)は、6月以外は減少していたが、一時的に緩和したもようだ。

データは輸出分と国内販売分を区別していないが、出荷の大半は中国国内の顧客向けとみられる。中国の自動車市場は繁忙期に入り、自動車メーカー各社は、年間目標の達成に向けた追い上げに入っている。

中国での好調な月間実績は、テスラの7-9月期(第3四半期)の業績にも大きく貢献した。テスラは先週、世界全体で過去最高の納車台数を記録したと発表した。米国の電気自動車(EV)購入に対する税控除を、9月30日の期限前に活用しようとする駆け込み需要があったことが背景にある。

 

テスラが米国で販売好調を維持できるかは不透明だが、中国で9月の販売が好調だったことは、10-12月期(第4四半期)に向けて需要への自信を高めるものとなった。10月初旬の中国の大型連休「ゴールデンウィーク」は、年末までの販売動向を占う試金石とされる。

一方、中国で最も売れている自動車ブランドであり、テスラと競合する比亜迪(BYD)は、9月の販売が前年同月比で1年以上ぶりに減少した。第3四半期全体の納車台数も1.3%減少し、四半期ベースでは2020年以来初の落ち込みとなった。それでもBYDは、EV市場でテスラを4四半期連続で上回っている。

原題:Tesla’s China Shipments Rise at Start of Busy Sales Season(抜粋)

--取材協力:Vlad Savov.

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