ソフトバンクグループが、50億ドル(約7700億円)の追加借り入れを計画していることがわかった。複数の関係者が明らかにした。人工知能(AI)分野への投資を加速するための資金調達強化の一環だ。

関係者によると、傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングス株を担保とした融資について金融機関と協議を進めており、契約締結まで間近だという。借り入れた資金は2025年中に予定している米OpenAIへの追加投資に充てられる見通し。非公開の取り引きだとして、匿名を条件に関係者が明らかにした。

孫社長

ソフトバンクGの広報担当者はコメントを控えた。

孫正義社長の指揮の下、ソフトバンクGは人工知能(AI)関連への投資を加速している。4月に、OpenAIに追加で最大300億ドルを投じると発表した。

8日にはスイスABBのロボティクス事業を約8200億円で買収し、AIロボット事業を強化すると発表していた。

同社は過去にアーム株を担保として、JPモルガンのほか、バークレイズやサンタンデール銀行、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ゴールドマン・サックスなど11行から約80億ドルを借り入れていた。借入枠は従来135億ドルで、借り入れが実現すれば、185億ドル規模となる見通し。

ソフトバンクGは、次の産業革命を起こす可能性を秘めた技術に巨額を投じる大手テック企業や投資家の動きに加わった。

ただ米エヌビディアやOpenAIを巻き込んだ取り引きや提携は急増している。複雑に絡み合う企業間の取り引き網が、1兆ドル規模に膨らむAIブームを人為的に支えているとの懸念も高まっている。

ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットアナリスト、シャロン・チェン氏は、半導体設計を手掛けるアンペア・コンピューティングの買収を含む一連の取り引きを考慮するとソフトバンクGが必要とする資金は300億ドルを超える可能性があると指摘。

資産売却や資産担保融資(ABL)によって、債券市場への依存度を下げられると、8日のリサーチノートで述べていた。

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