(ブルームバーグ):長年にわたって低迷が続く大麻業界を再評価する動きがある。カナダの金融会社カナコード・ジェニュイティ・グループのアナリストはカバレッジを開始し、関連5銘柄のうち4銘柄に「買い」の評価を付けた。
アナリストのケンリック・タイグ氏は「(規制の)変化という風がついに吹き始めた」とした上で「投資家が直近でポジティブなニュースが出てくる可能性はほとんどないとあきらめていたことを考慮すると、中間選挙を前に大きな変化が起きればこの分野は再評価されるだろう」と指摘した。
大麻関連銘柄はこの4年間、規制面での停滞や激しい株価変動、低調な成長見通しが重荷となってきた。こうした中、カナコードは変化が起きるとみている。
タイグ氏は、キュラリーフ・ホールディングス、グリーン・サム・インダストリーズ、テラセンド、ベラーノ・ホールディングスを新たに「買い」と評価。プラネット13ホールディングスは「中立」とした。
キュラリーフ株は9日、米国とカナダの両市場で上昇して取引を終えた。一方、ベラーノとテラセンドの株価は下落した。
また、ティルレイ・ブランズは6-8月期(第一四半期)の売上高がアナリスト予想を2%超上回ったことを受け、9日の米国株式市場で株価が22%上昇した。

カナダで2018年に嗜好(しこう)用大麻が合法化されたことを受け、米国が追随するとの期待を背景に投資資金が関連銘柄に流入した。しかし、合法化は幾つかの州のみにとどまり連邦政府レベルでの規制変更が停滞したため、熱狂はすぐに終わりを迎えた。
ところが、トランプ米大統領が大麻をよりリスクの低い薬物として再分類することを検討すると明かしたことで追い風が吹き始めている。
タイグ氏は、規制に大きな変化がないにもかかわらず、米国内における合法大麻の販売額が今年、約430億ドル(約6兆5800億円)に上ると予想。年間成長率も驚異的な伸びを維持しており、大麻関連銘柄を巡る「ネガティブなセンチメントやバリュエーションの崩壊」との矛盾が生じているという。
その上で規制変更が実現すれば、業界全体のバリュエーションの水準に変化が生じると指摘。「禁酒法廃止後に進化したアルコール業界と同様に、合法大麻市場も今後数年間の発展と共に淘汰(とうた)が進むだろう」と述べた。
原題:Pot Stocks Get New Bull at Canaccord on Revived Regulatory Hopes(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.