(ブルームバーグ):韓国のサムスン電子の株価が10日の取引で急上昇し、最高値更新に向かっている。人工知能(AI)向け半導体への期待と、従来型メモリー事業に対する信頼回復が背景。
1週間の休場明けとなったソウル市場でサムスン電子の株価は一時6%高の9万4300ウォンに上昇した。年初来上昇率は76%に上り、時価総額は3900億ドル(約59兆7000億円)に達している。
サムスン電子がAI用途でエヌビディアなどに供給する高帯域幅メモリー(HBM)分野で、同業のSKハイニックスに追いつくとの見方が投資家の間で強まった。サムスン電子とSKハイニックスがオープンAIと締結した大口の供給合意も追い風となっている。
NHインベストメント・アンド・セキュリティーズの株式トレーダー、ショーン・オー氏は「エヌビディア向けHBM供給やAI分野への大規模投資を材料に、サムスン電子株のディスカウントが解消されつつある」とした上で、「エヌビディアとサムスン電子は供給量や価格、スケジュールの交渉で最終段階にあるとされる」と述べた。

一方、サムスン電子が圧倒的な存在感を示す、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)とNANDの市場でも、供給不足で価格見通しが上振れし、「スーパーサイクル」が到来するとの期待が高まっている。
モルガン・スタンレーは休場中にサムスン電子の目標株価を14%引き上げ、11万1000ウォンとした。10-12月(第4四半期)のメモリー価格上昇と、2026年にかけて予想される堅調な需要サイクルを理由に「現在の水準からさらに大きな上昇余地がある」と指摘した。
原題:Samsung Shares on Course for Record High on AI, Chip Optimism(抜粋)
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