(ブルームバーグ):米マイクロソフトのデータセンターのひっ迫が従来の説明よりも長引く見通しであることが分かった。クラウド需要の急拡大に対応しきれていない状況が浮き彫りとなっている。
事情に詳しい関係者によると、米国内にあるマイクロソフトのデータセンター地域の多くで、物理的なスペースやサーバーの不足が発生している。社内の見通しによれば、バージニア州北部やテキサス州など主要サーバーファーム拠点の一部では、主力のクラウドサービス「アジュール」の新規契約を来年前半まで制限しているという。非公開の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。
これはマイクロソフトがこれまで示していた期間よりも長い。エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は7月、現在のひっ迫状況は2025年末まで続くとの見通しを示していた。関係者によると、能力不足の影響は人工知能(AI)向けに使われるグラフィックス処理装置(GPU)を搭載したサーバーに加え、従来型クラウドサービスを支えてきた中央演算処理装置(CPU)中心のデータセンターにも及んでいる。
クラウド事業者にとって、顧客に貸し出すサーバーの不足は近年、繰り返し懸念されてきた問題だ。マイクロソフトは過去6四半期の決算発表で、顧客のクラウド需要に全て対応し切れていないと説明している。アマゾンやグーグルも同様の制約があると述べている。
マイクロソフトの広報担当者は、米国内におけるアジュールのサービスおよび地域の大半において「既存顧客が稼働中のワークロードを拡大できるだけの利用可能な能力が確保されている」と説明。その上で、想定外の需要急増が生じた場合には、全データセンターネットワークで顧客需要のバランスを取るために能力の温存策を導入することがあると述べた。

原題:Microsoft Forecasts Show Data Center Crunch Persisting Into 2026(抜粋)
--取材協力:Matt Day、Dina Bass.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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