ニューヨーク時間9日午前の外国為替市場で、 円が一時上昇に転じる場面があった。自民党・高市早苗総裁が自身の経済政策に関して、行き過ぎた円安を誘発するつもりはないと述べたことに反応した。

円はこれに先立ち、欧州時間に8カ月ぶりの安値となる153円22銭まで下落。その後、高市氏の発言を受けて上げに転じ、一時152円14銭まで買われた。だが、円買いの勢いは続かず、直近では再び153円台前半に下げている。

高市氏はまた、政府と日本銀行のアコードについて直ちに見直しが必要だとは考えてないとしたほか、私の立場で利上げそのものについて発言すべきでないとも語った。

財政拡張・金融緩和路線の高市氏が総裁選に勝利して以降、円は4%近く下落している。日銀の利上げ観測が後退していることが背景にある。

ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏(ロンドン在勤)は「市場はこれまでのところ、高市氏がハト派姿勢を後退させたと受け止めている」と指摘。「これは事実上、高市氏による口先介入だ」と語った。

みずほインターナショナルの欧州・中東・アフリカ(EMEA)マクロ戦略責任者、ジョーダン・ロチェスター氏は「高市氏は可能な限り中立を保とうとしているが、市場は同氏のこれまでのスタンスを知っている」と指摘。「そのためドル売り・円買いに戻る前に、政府が利上げについてどう考えているのか、一段と明確な見解を市場は求めている」と述べた。

原題:Yen Gets Brief Relief After Takaichi Offers Verbal Support(抜粋)

--取材協力:Carter Johnson.

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