9日の欧州債市場では、フランスとドイツの10年債利回り格差がやや縮小した。マクロン仏大統領が10日夕までに新首相を指名すると発表し、政治的混乱が一段と深まる恐れがある議会の解散・総選挙が回避されそうな様相となった。

独仏債のスプレッドは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小して82bp。予算案を巡る行き詰まりからルコルニュ仏首相が突然辞任した週初には、88bpまで拡大する場面もあった。

ドイツとイタリアの10年債スプレッドは1bp拡大し、81bpとなった。

株式市場では、前日に過去最高値を更新したストックス欧州600指数が反落。銀行株が軟調だったほか、イタリアの高級車メーカー、フェラーリは一時16%安と、2016年1月の上場以来最大の下げ幅を記録した。

フェラーリは慎重な業績見通しを示し、失望売りを浴びた。英銀HSBCホールディングスは香港子会社の恒生銀行を非公開化する計画を発表したが、株価は5.4%安と市場は否定的な反応を示した。

ストックス欧州600指数は0.4%安で取引を終了。ドイツのDAX指数は人工知能(AI)や米経済の底堅さを巡る楽観を背景に、小幅高で高値を再び更新した。

10月9日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:European Stocks Drop as Ferrari Tumbles and HSBC Weighs on Banks(抜粋)

French Spread Stabilizes Amid Hunt for New PM: End-of-Day Curves(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

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