(ブルームバーグ):米ニューヨーク市マンハッタンのアパート賃料は9月、記録的高値からの下落が進んだ。繁忙期が終了したことが背景にある。
不動産鑑定会社ミラー・サミュエルと仲介業者のダグラス・エリマンによると、9月に新規契約された賃貸物件の賃料は中央値で4550ドル(約69万6000円)となり、前月比で50ドル下落。7月に記録した過去最高値を150ドル下回った。それでも、前年同月比では8.3%上昇している。
ニューヨークでは今年に入り賃貸物件の賃料が過去最高を相次いで更新し、アパート確保を巡る競争は激しさを増している。9月に賃料がやや下がるのは例年見られる季節的な動きだ。大学生や新社会人が入居を終え、市場が落ち着くためだ。
ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長は「8月から9月にかけて家賃が下がったからといって、値ごろ感が大きく高まっているというわけではない」と指摘。「これは季節的なパターンに過ぎない」と述べた。
新規賃貸契約件数は前年比で3カ月連続の減少となった。新たな物件を探すよりも、既存の契約を更新する人が増えていることが示唆される。経済の先行き不透明感や激しい競争、月額費用の上昇見通しにより、現在のアパートにとどまる人が増えているようだとミラー氏はみる。
賃料が急激に下落するとはミラー氏はみていないものの、向こう数カ月に横ばい、ないし緩やかに下がる可能性はあるとし、その一因として住宅ローン金利の動向を挙げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを継続して借り入れコストが下がれば、住宅購入に動く人が増えるだろうと、ミラー氏は指摘する。
「現在の賃貸市場は住宅ローン金利に敏感だ」とミラー氏。「住宅ローン金利が大きく低下すれば、賃貸市場の勢いは弱まるだろう」と語った。
ブルックリンでは新規賃貸契約の中央値が3925ドルと、過去2番目の高水準。前年同月比で7.5%上昇した。ロングアイランドシティやアストリアを含むクイーンズ北西部では、中央値が前年同月比4.3%上昇の3650ドルだった。
原題:Manhattan Rents Pull Away From Record Highs in Seasonal Shift(抜粋)
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