(ブルームバーグ):ドイツは苦境にあえぐ国内自動車産業を支援する包括的な取り組みの一環として、2029年末までで30億ユーロ(約5300億円)相当のゼロエミッション車購入支援策を実施する。メルツ首相が発表した。
ベルリンで連立パートナーである社会民主党(SPD)との協議を終えたメルツ首相は9日、連立政権としてこの支援策で合意したと説明した。首相は同日このあと自動車メーカーや労働組合の幹部と会談し、業界の将来について協議する。
ドイツにとって自動車業界は経済の柱の一つだが、中国との競争激化や米国の関税を巡る不透明性で厳しさが増している。
メルツ氏と並んで記者会見したSPD共同党首のクリングバイル副首相兼財務相は「ドイツ自動車業界の明るい未来を確保するため、連邦政府の責任のもと、できる限りのことをしていきたいとの点で連立政権は一致している」と述べた。
5月に発足した連立政権は、欧州連合(EU)が導入を予定する2035年の内燃機関車新車販売禁止を緩和させようと、メルツ首相の下で団結しているとみられる。メルツ氏は9日の自動車業界との会合でこの販売禁止について議論を深めたい考えで、共同の立場を構築できることを望んでいると語った。

原題:German Coalition Agrees on New EV Incentives Worth €3 Billion(抜粋)
--取材協力:John Ainger.
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