米ニューヨーク市マンハッタンの住宅販売件数が約2年ぶり高水準に増加した。潤沢な現金を持つ富裕層が積極的に取引を進めた。

不動産鑑定会社ミラー・サミュエルと仲介業者のダグラス・エリマンによると、7-9月(第3四半期)にコープ住宅(住民がアパートの管理・運営に参加する形式)とコンドミニアム合わせて3158件の取引が完了。前年同期比で13%増となった。売却価格の中央値は5.8%上昇し、118万ドル(約1億7400万円)だった。

マンハッタンの不動産市場は、好調な株式市場と昨年見られたウォール街の高額ボーナスに支えられている。そうした資産増加により、多くの買い手は高い借り入れコストを回避し、現金で購入できる状況だ。ミラー・サミュエルとダグラス・エリマンによれば、7-9月の購入の約3分の2は融資なしで行われ、300万ドル超の取引では90%以上が現金決済だった。

ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長は「この市場では、資産や所得が多いほど高止まりする住宅ローン金利を回避する選択肢が増える」と指摘。取引の増加は「市場の上位半分に偏っている」と述べた。

富裕層の活発な動きを示すもう一つの兆候として、価格が高めに設定されることの多い新築住宅の取引が挙げられる。新築物件は成約全体の18%を占め、約6年ぶりの高い比率となった。売却価格は中央値で175万ドル。

原題:Manhattan Home Sales Jump to Two-Year High Led by Cash Buyers(抜粋)

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