韓国のサムスン電子とSKハイニックスは、対話型生成AI(人工知能)ChatGPTを展開する米OpenAIとの間で、同社やソフトバンクグループが主導する合弁事業「スターゲート・プロジェクト」に半導体を供給する初期段階の合意に達した。

OpenAIとの合意が伝えられたことを受け、2日の韓国株式市場で、サムスン電子の株価は一時5%、SKハイニックスは12.4%それぞれ急伸し、数年ぶりとなる高値を付けた。

OpenAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)は1日、サムスン電子、SKハイニックスとの間で、両社がデータセンター建設プロジェクトに参加する基本合意書に署名した。

スターゲート・プロジェクトはソフトバンクGとOpenAI、オラクルが主導し、キャンパス型データセンターを含むAIプロジェクトに今後4年で少なくとも5000億ドル(約74兆円)の投資を行うことを目指す。AI半導体で圧倒的シェアを占めるエヌビディアも参加する。

サムスン電子とSKハイニックスの発表によれば、スターゲートのグローバル規模での拡大に伴い、OpenAIからの総需要はウエハー月間90万枚に達する可能性がある。

SKグループは、そうした需要予測は、高帯域幅メモリー(HBM)の現時点でのグローバル生産能力の2倍以上であり、スターゲートの規模と世界的にAI開発が加速する現状を浮き彫りにすると説明した。

サムスン電子とSKハイニックスは、米マイクロン・テクノロジーと共に半導体メモリー分野で支配的地位を占める。今回の合意には、米国で最も価値の高いAIスタートアップと韓国2社との間で、より長期的パートナーシップを築く狙いもある。

合意の一環として、韓国政府による国内AIエコシステムの構築もパートナー企業が支援する。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の若杉政寛氏らは、サムスン電子が発表した通り、スターゲート・プロジェクト全体で最終的に月間90万枚のウエハースタートに相当するDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)容量を必要とする場合、サムスンの既存のDRAM生産能力を上回り、DRAMの販売が50%余り増える可能性があると指摘した。SKハイニックスも同様に恩恵を受けると考えられるという。

原題:Samsung, SK Hynix Shares Leap After OpenAI Taps Korea for Chips(抜粋)

(最新の株価などを追加して更新します)

--取材協力:Soo-Hyang Choi.

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