(ブルームバーグ):マクラーレン・レーシングのザク・ブラウン最高経営責任者(CEO)は2024年、チームがフォーミュラ1(F1)で1998年以来となるタイトルを獲得したことで、3730万ポンド(約73億9700万円)を手にし、スポーツ業界でトップクラスの高給取りの経営者となった。
英国の登記所カンパニーズハウスに提出された決算報告によると、同チーム取締役の報酬最高額は前年の2640万ポンドから跳ね上がった。マクラーレン広報は、この取締役がブラウン氏(53)だと認めた。主要経営陣の総報酬は2倍を超えて7570万ポンドに達し、その大部分が株式連動型の報酬だった。

マクラーレンは昨年に続きチームタイトルの獲得を目指すと同時に、ドライバーのランド・ノリス、オスカー・ピアストリでドライバーズタイトルも狙っている。
先月、マクラーレンの評価額は30億ポンドを超え、F1に対する投資家の強気姿勢が明らかになった。マクラーレン・グループの親会社であるバーレーンの政府系ファンド(SWF)マムタラカトと、アブダビ拠点の投資会社CYVNホールディングスは、MSPスポーツキャピタルなどから少数株式を買い取り、同チームの完全所有権を得た。
F1は近年、米国を中心に人気が急上昇している。ネットフリックスのドキュメンタリーシリーズ「Formula 1:栄光のグランプリ」が新たなファン層獲得につながり、ブラウン氏を含む経営幹部は番組が業界にもたらした影響を高く評価している。ブラッド・ピット主演の映画「F1:エフワン」も公開され、さらなる人気拡大が見込まれる。
ブラウン氏はチームが苦境にあった2018年にCEOに就任した。スポーツ界ではとりわけ注目度が高い。現在、マクラーレンのピアストリが選手権をリードしており、ノリスも僅差で追う。4度のチャンピオン経験があるレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンも直近2戦で優勝し、3位から差を詰め始めている。
2008年のルイス・ハミルトンの初優勝以来、マクラーレンのドライバーは個人タイトルを獲得していない。
原題:Formula 1 Winner McLaren’s CEO Makes $50 Million After Title (1)(抜粋)
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