スターマー英首相は、与党労働党の党大会開幕に当たり、自らの政治的生き残りがポピュリズム打倒に向け国の最善の希望になるとメッセージを発した。

昨年の下院選での労働党勝利から1年3カ月しか経過していない。しかし、党首として次の選挙戦を率いる能力に党内から疑問の声が上がる中で、スターマー氏は、28日に開幕した党大会に臨んでいる。

英仏海峡を横断する難民申請希望者の流入が過去最多となる状況を受け、労働党政権は、ナイジェル・ファラージ党首率いる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」から移民政策で厳しい攻撃にさらされている。

スターマー首相は、BBCとのインタビューで、リフォームUKとの政治的対立軸を鮮明にし、労働党政権は国の「魂」のために闘うと主張。ファラージ氏の代表的な移民政策の一つを「人種差別的で不道徳」と非難した。

ファラージ氏は、合法的な在留資格を持つ移民数十万人への「無期限滞在許可」を取り消し、新たなビザの資格が得られなければ、国外退去させる案を提唱した。

スターマー英首相

スターマー首相は「リフォームUKのような提案は、フランスやドイツ、他の多くの国で見られたが、この国では前例がない。わが国の在り方を問う闘いだ」と強調した。

2024年7月の総選挙で労働党の獲得議席が400を上回ったのに対し、リフォームUKは5議席にとどまった。だが4月以降は全国世論調査で労働党をリードしている。先週の主要調査では、今選挙を実施すれば、ファラージ氏が首相に就任するとの結果が出ており、各党も無視できない存在だ。

一方、先週末のイプソスの世論調査結果によれば、スターマー氏の支持率は、1977年以降の歴代首相で最も低かった昨年のスナク前首相、94年のメージャー元首相(いずれも保守党)を下回り、最低を更新した。

 

原題:Starmer Recasts Flagging Premiership as Fight for UK ‘Soul’ (1)(抜粋)

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