アサヒグループホールディングス傘下のアサヒビールは13日、10月の売上高が概算で前年同月比約1割減だったと発表した。サイバー攻撃の影響で出荷が制限された影響が出たとみられる。傘下で清涼飲料水などを販売するアサヒ飲料は同約4割減だった。

スーパードライの看板

アサヒGHDは、国内事業が売上収益の約半分を占める。飲食店では他社への一時的な切り替えが相次ぐ中、販売動向への注目が高まっていた。13日の発表によると、同社は現時点でも受注・出荷は手作業での対応を続けているという。

アサヒGHDの広報担当者は、10月のビール売り上げに関して、現在出荷できているものが平常時の8割を占めており影響は軽微だったと、ブルームバーグの取材に答えた。

サイバー攻撃の影響で出荷が制限される中、需要が流れた他社のビール類の販売は好調だった。キリンビールは、前年同月比19%増(金額ベース)、サッポロビールは、同13%増(数量ベース)だった。サントリーは前年並みだった。

アサヒGHDは9月29日にランサムウエアによる攻撃を受けた。被害を抑えるために遮断措置をとり、受注・出荷や生産などが一時停止するなど影響は広範囲に及んだ。10月8日には、サイバー攻撃で流出した疑いのある情報をインターネット上で確認したと発表した。

(アサヒGHDのコメントを追加しました)

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