フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは韓国市場での事業拡大を加速する方針だ。地政学的リスクや経済の不透明感により、米中市場の消費見通しが悪化する中、世界展開の多角化を進める。

非公開情報を理由に匿名で語った関係者によると、LVMH傘下のルイ・ヴィトンとクリスチャン・ディオールの二大ファッションブランドは、いずれも数年以内にソウルの清潭洞(チョンダムドン)にある旗艦店を拡張する。ディオールは早ければ2027年にも改装を行い、常設レストランを併設する構想を進めている。

LVMH傘下の時計・宝飾ブランド、ブルガリも韓国初の旗艦店を検討しているほか、ティファニーの旗艦店も27年に清潭洞にオープンするという。

LVMHの広報担当者はコメント要請に応じなかった。

韓国では、高級ブランドに対する根強い人気に加え、底堅い経済と高まる消費者信頼感が相まって、世界的な消費環境に不透明感が強まる中でも高級ブランドにとって有望な市場となっている。政府データによれば、ルイ・ヴィトンやエルメス、シャネルの韓国における昨年の売上高は前年比約10%増の合計33億ドル(約4940億円)に達した。

国内の消費者に加え、中国や日本からの観光客の急増とウォン安が追い風となっている。韓国紙コリア・ヘラルドによると、観光客の消費額は前年比約33%増の9兆2600億ウォン(約9840億円)と過去最高を記録した。

原題:LVMH Bets on South Korea to Spur Growth on US, China Uncertainty(抜粋)

--取材協力:Jaehyun Eom.

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