トランプ米大統領は25日、苦境に立たされた米農家の支援に関税収入を充てる方針を表明した。農業分野は大統領の通商政策で大きな打撃を受けている。

ホワイトハウスで大統領は「関税収入の一部を農家に渡すつもりだ。少しの間、農家は痛みを伴うが、そのうち効果が出てくるだろう」と述べた。

その後、記者団に対し、最終的な計画は「決まっていない」とし、ロリンズ農務長官と協議する考えを示した。

貿易戦争により農産品の輸出市場が細り、連邦支援制度も縮小する中で、米農家は、トランプ大統領の2期目に入って経済的打撃を受けている。農家は2024年大統領選でトランプ氏支持が多かった。来年の中間選挙を前に、共和党には逆風となりかねない。

農業を主要産業とする州が地元の共和党議員は、トランプ氏の通商政策と米農家への影響に不満をあらわにしている。アイオワ州選出のグラスリー上院議員は、アルゼンチンが大豆を中国に売る動きを批判。通常なら取引の主体となる米農家が締め出されたことを問題視し、トランプ氏に中国との取引を求めた。

世界最大の大豆輸入国である中国は、今季の米国産大豆について一件も契約していない。収穫が進む中で農家の不安が一層高まっている。

原題:Trump Says Tariff Revenue Will Fund Relief for US Farmers (2)(抜粋)

--取材協力:Erin Ailworth、Steven T. Dennis、Kate Sullivan.

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