ガザの状況が悪化し続けるなか、パレスチナ問題の解決に向けた首脳級の会議がアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれました。パレスチナを国家として承認する国が相次ぐ一方、日本は承認を見送りました。

ニューヨークの国連本部。

記者
「まもなくパレスチナの国家承認をめぐる国際会議が始まります」

フランス マクロン大統領
「私はきょう、フランスがパレスチナ国家を承認することを宣言します」

会議のテーマはイスラエルと将来的なパレスチナ国家の平和的な共存を目指す、「2国家共存」による解決策です。

会議を前に、イギリスがG7の中で初めてパレスチナを国家として承認すると正式に表明し、フランスなど5つの国もきょう、正式に承認を宣言しました。

会場ではパレスチナの国連大使がJNNの取材に対し…

パレスチナ マンスール国連大使
「大きな前進の一歩です。私たちはこの方針を堅持して、戦争の終結を必要とするパレスチナ人民の国家的権利に向かって歩み続けなければなりません。日本がその一翼を担うことを確信しています」

和平の機運を高め、イスラエルに圧力をかける狙いもありました。ところが、激しく反発したイスラエルは会議を欠席。

イスラエル ダノン国連大使
「これは茶番です。誰もが現実離れした話だと分かっています」

アメリカも歩調を合わせ欠席しました。

ホワイトハウス レビット報道官
「トランプ大統領は明確に反対しています。ガザで最優先事項となっている人質の救出などに役に立たないと感じています」

トランプ政権はパレスチナ自治政府のアッバス議長のビザ発給を拒否。アッバス氏は入国できず、異例のビデオ演説となりました。

そして日本は。岩屋外務大臣が国家承認を見送ると表明した一方、「するか否かではなく、いつするかという問題だ」と説明しました。

演説後、今後の方針について聞いてみると…

岩屋毅 外務大臣
「2国家解決に向けてのパレスチナ自治政府に対する改革の支援を日本政府としては進めていきたい」

G7の中で初めてパレスチナの国家承認を正式発表したイギリス駐在のパレスチナ大使は日本に対し、早期の国家承認を訴えました。

駐英パレスチナ代表部 ゾムロット大使
「イスラエルがジェノサイドを行っている今でなければ、いつでしょうか?日本はいまこそ、私たちと心の繋がりや共通の経験を共有し、パレスチナ国の承認を最後に行う国にならないようにすべき時です」

このあと、国連では総会が始まり、トランプ大統領が日本時間今夜演説するほか、イスラエルのネタニヤフ首相も週末に演説する予定です。

こうしたなかでも、ガザではイスラエル軍の攻撃が続き、22日には全土で37人が死亡しました。

各国の中東和平を目指す動きがアメリカやイスラエルに一定の歯止めとなるのか、注目されます。