(ブルームバーグ):損失が続いているヘッジファンド大手の米シタデルは、ポートフォリオマネジャーを同業のバリアズニー・アセット・マネジメントにまた奪われた。
資産家ケン・グリフィン氏率いるシタデルでは、ヘルスケア株のトレーディングチームが約5000万ドル(約74億円)の損失を出した。このチームにいたリッキー・メワニ氏はバリアズニーのマルチストラテジーファンドに移籍することになったと、複数の関係者が人事に関する話であることを理由に匿名で明らかにした。
メワニ氏はシタデルに9年間在籍。同僚だったデービッド・ブロドスキー氏も、先にバリアズニーに雇用された。
シタデルの広報担当者は「運用損失の局面でリッキーが去ったのは極めて残念だ」と述べた。
大手ヘッジファンドの間では人材争奪戦が激化し、ポートフォリオマネジャーの引き抜きが相次いでいる。多額の損失を出したことがあっても、過去の好成績を新しい環境で再現するとの期待から、異例の厚遇が用意されるケースもある。
トレーダーらは損失回復という厳しい職務から逃れ、新しい職場で転機を図り、個人資産の拡充にも役立てる機会を得る。メワニ氏はシタデル在籍中に数千万ドルもの利益を上げたと、複数の関係者が述べた。
「リッキーが当社のチームに加わることを歓迎する」とバリアズニーの広報担当者は文書で述べた。
メワニ氏にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
原題:Citadel Trader Mewani Moves to Balyasny After $50 Million Loss(抜粋)
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