(ブルームバーグ):北海ブレント原油先物が年末までに1バレル=50ドルを割り込むとの見方に、あるトレーダーは大きく賭けている。ウクライナから中東に至る地政学的リスクよりも、供給増による影響が上回るとみているためだ。
ブローカーや取引所のデータによると、ブレント原油1000万バレル相当のプットオプション(売る権利)が15日に取引された。50ドル/49ドルのプットスプレッドを購入した投資家は、2月限先物がオプション満期日(12月23日)までに現在のバレル当たり68ドル前後の水準から約25%下落すれば利益を得られる。

あるブローカーによれば、16日にはさらにファンド数社がこのスプレッドに注目していたという。
こうした賭けは、世界有数のエネルギー予測機関の一部に広がる見方を反映している。すなわち、石油市場は年末までに供給過剰に陥るという見方だ。
マッコーリー・グループのビカス・ドウィベディ氏らアナリストはリポートで、世界的な供給拡大が今年10-12月(第4四半期)と2026年1-3月(第1四半期)に日量約300万バレルの供給過剰をもたらすと予想した。
ただ、ブレント原油先物はここ数日、上昇している。ウクライナがロシアのエネルギーインフラへの攻撃を強化し、ロシアからの供給が減少する可能性が強まったことが背景にある。市場では楽観的なムードが広がり、7月以降で初めてコール(買う権利)のプレミアムがプットを上回った。
ブレント原油が49ドルを付ければ、15日時点で約35万ドル(約5100万円)相当だった当初のポジションが最大1000万ドル相当に膨らむこともあり得る。
原題:Fund Bets on 25% Oil Price Dip Before Christmas Amid Glut Fears(抜粋)
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