TikTokの米国事業はオラクル、シルバーレイク、アンドリーセン・ホロウィッツを含む投資家コンソーシアムにより買収される見通しだ。スペインのマドリードで2日間にわたって行われた米中貿易協議での枠組み合意を受けたもので、トランプ米大統領は19日に中国の習近平国家主席と同合意について協議する。

事情に詳しい関係者によると、同合意に基づき、3社が新会社に出資し、TikTokの米国版が設立される。

また、中国の字節跳動(バイトダンス)による持ち株比率は20%未満に引き下げられる。2024年に成立した米国の国家安全保障関連法で定められた要件を満たすためで、バイトダンスは同法によって、事業売却か米国での利用禁止かの選択を迫られていた。

米中両首脳の承認と共に合意が成立すれば、TikTokは米国内での事業継続が可能になり、米中関係の懸案も一つ解消されることになる。

今回の合意では、オラクルが引き続き米国でTikTok向けにクラウドサービスを提供することになる。同サービスはオラクルにとってすでに安定的な収益源となっている。

オラクル株は16日のニューヨーク市場で一時5.9%上昇。その後は上げ幅を縮小した。年初来の上昇率は84%に達しており、クラウドインフラ事業の成長が追い風となっている。

各社の出資割合についてはまだ不透明で、関係者の1人によればオラクルは新会社に小規模な出資を行う見込みという。TikTok、オラクル、アンドリーセン、シルバーレイクの各社は現時点でコメントの要請に応じていない。

取引完了に向けた時間を確保するため、トランプ氏は16日、TikTok米事業の売却期限を延長する大統領令に署名した。延長はこれで4度目で、新たな期限は12月16日となる。

トランプ氏は英国への国賓訪問に向けてホワイトハウスを出発する際、「中国側とTikTokで合意した」と記者団に述べたが、関与する企業名は明らかにしていなかった。ベッセント財務長官は19日の米中両首脳の電話会談で、最終合意に達すると確信していると述べた。

米国では今年1月、国家安全保障上の懸念を背景とする事実上のTikTok禁止法が発効。同法では親会社であるバイトダンスにTikTok米事業の売却を義務付けており、トランプ氏は司法省に対して、同法を執行したりTikTokを支援する企業を処罰したりしないよう指示してきた。

今回の延長により、TikTokは引き続き米国内で事業を運営できるほか、アップルやアルファベット傘下のグーグルなどのパートナー企業も、自社のオンラインストアでTikTokアプリの提供を継続することが可能となる。

原題:TikTok Buyers Group to Include Oracle, Silver Lake, Andreessen、Trump Extends Deadline to Get TikTok Deal Until December 16 (2)(抜粋)

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--取材協力:Meghashyam Mali、Josh Wingrove.

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