(ブルームバーグ):米規制当局は、製薬会社が誤解を招く広告を展開しているとして警告の書簡を相次ぎ送付した。製薬業界のテレビCMに対する取り締まり強化を掲げてきたトランプ政権の方針の一環で、米イーライリリーとデンマークのノボ・ノルディスクが手がける肥満治療薬のマーケティングにも矛先が向けられた。
9月9日付の書簡では、オンライン、放送、印刷物の広告を巡る懸念が列挙されており、健康過ぎる印象を与える俳優の起用や重要な副作用リスクの省略があるとして問題視されている。問題のある広告として、俳優のモーガン・フリーマンさんが出演するブリッジバイオ・ファーマの心臓薬のCMなどが挙げられた。送付先の企業にはアストラゼネカ、ブリストル・マイヤーズスクイブ、アッヴィなどが含まれる。
これらの書簡は、連邦保健当局に薬の広告規制強化を求め、副作用情報の開示を義務付けるよう指示したトランプ大統領の覚書に合わせて送付された。
米食品医薬品局(FDA)はとりわけ、リリーとノボの主力肥満治療薬ゼップバウンドとウゴービの宣伝資料に厳しい姿勢を示し、両社が起用したコンサルタントがテレビ特番で薬の副作用を過小評価したと書簡で警告した。同番組には著名司会者オプラ・ウィンフリーさんも関わっていた。
最大の医療品市場であるがん治療薬を巡っては、ブリストル・マイヤーズの肺がん治療薬オプジーボとヤーボイの広告などが標的となった。疲労や下痢、食欲不振といった副作用を頻繁に引き起こすにもかかわらず、遊園地で楽しむ人々やピザ作りの様子を描写した点が批判されている。
原題:Oprah, Morgan Freeman in Crosshairs of FDA Drug Ad Crackdown (2)(抜粋)
--取材協力:Robert Langreth、Gerry Smith、Madison Muller.
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