米金融システムの主要短期金利が年来の高水準に急上昇し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを上回った。今週は米国債の入札決済や四半期の法人税納付で流動性がさらに低下している。

ニューヨーク連銀が16日に公表したデータによると、レポ取引市場に連動する翌日物の指標金利である担保付翌日物調達金利(SOFR)は15日時点で4.51%と、前営業日の4.42%から上昇。昨年12月31日以来最大の上昇を記録した。

SOFRがじわじわと上昇している背景には、財務省による資金残高の積み増しや連邦準備制度のバランスシート縮小がある。短期金融市場の過剰流動性の指標とされてきた翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーの利用は、約4年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

今回の金利上昇でSOFRと実効FF金利とのスプレッドは18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大し、昨年12月26日以来の大きさとなった。実効FF金利は12日時点の数字。

またFF金利は、現在4.40%となっている超過準備の付利(IOER)を11bp上回っている。

フューチャーズ・ファースト・カナダのアナリスト、リシ・ミシュラ氏は「短期金融市場の状況は依然としてかなり安定している」とした上で、「何かあるとすれば、準備需要曲線のやや右上がりの部分に近づきつつあると言える。こうした状況は決済日やバランスシート関連日での高めの金利決定につながるだろう」と述べた。

翌日物金利が高止まりすれば、連邦準備制度が流動性を損なわずに量的引き締め(QT)をどれだけ続けられるかに疑問が生じかねない。さらに、利下げサイクル再開が見込まれているタイミングに、FF金利誘導目標の引き下げ効果を弱める恐れもある。

原題:US Short-Term Rate Jumps to Year High as Funding Strains Grow(抜粋)

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