(ブルームバーグ):マンハッタンの米連邦地検検事を長年勤めたモーリーン・コミー氏が15日、7月の突然の解雇を不服として司法省とホワイトハウスを提訴した。同氏は、2016年米大統領選へのロシアの介入疑惑を捜査したコミー元連邦捜査局(FBI)長官の娘だ。
マンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地裁に提出された訴状によれば、コミー氏は解雇に正当な理由はなく、憲法と公務員法の保護規定に違反すると主張した。
少女の性的搾取事件で起訴され、勾留中に死亡した米富豪のジェフリー・エプスタイン被告やヒップホップ界の大物ショーン・コムズ被告の訴追を含む「模範的」実績も強調した。
今回の訴訟は、連邦職員を即時解雇する権限があるというトランプ大統領の主張に異を唱えるものだ。連邦最高裁はこれらの解雇の多くを阻止せず認めてきたが、合法性を巡る判断はまだ示されていない。
訴状では「父が元FBI長官のジェームズ・B・コミー氏であること、推定される政治的所属と信条、あるいはその両方を理由に(モーリーン・)コミー氏を被告らは解雇した」と訴えた。
ホワイトハウスはコメントを司法省に委ね、同省は訴訟に関するコメントを控えた。コミー氏が同時に提訴した連邦人事管理局(OPM)にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
コミー氏は、解雇が違法であることの確認と復職、未払い賃金の支払いを求めている。訴状によると、同氏は検事として10年近く勤務し、200件を超える有罪判決ないし評決を勝ち取った。年間評価では常に「優秀」とされ、マンハッタンの連邦地検で暴力・組織犯罪部門および汚職部門の共同責任者に昇格するなど、3度の昇進を果たしたと説明した。
原題:Comey’s Daughter Sues DOJ Over Firing as Federal Prosecutor (1)(抜粋)
--取材協力:Chris Dolmetsch、Chris Strohm、Miles Herszenhorn、Justin Sink.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.