ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストによると、債券トレーダーにとっての次の痛手は、5年物国債で発生する可能性がある。

ストラテジストのジョージ・コール氏とウィリアム・マーシャル氏は15日付のリポートで、より持続的な引き締めサイクルに向かう日本と経済見通しが改善しているドイツで、5年物国債が特に脆弱(ぜいじゃく)だと指摘した。

期間短めの国債は金融政策の見通しに大きく左右される一方、10年以上の長期債はインフレや財政赤字懸念により影響を受けやすい。このため、双方のリスクに比較的耐性があるとされてきた5年物は、世界の債券市場で「スイートスポット」と位置付けられてきた。

期間長めの国債の多くは今年に入り、財政赤字懸念から売り込まれており、日本やドイツの国債リターンが他の先進国に比べて出遅れていることが、ブルームバーグの分析で示されている。こうした中、日本やユーロ圏で金融引き締めや景気回復の方向に転じつつあることは、5年物国債を一段と脆弱にしかねない。

ドイツの5年物国債利回りは3月のピークから30(bp、1bp=0.01%)余り低下しており、低下幅は10年物の約25bpを上回っている。日本では先週実施された5年物国債入札が6月以降で最も堅調な需要を集めた。

ゴールドマンのストラテジストは、ドイツと日本では売り圧力が続く可能性があると指摘。「弱気な圧力は長期債から中期債に移行し、5年物がアンダーパフォームすると予想している」と述べた。

原題:Goldman Sees Bond Yield Turmoil Hitting Five-Year Sector Next(抜粋)

--取材協力:近藤雅岐.

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