市場平均を上回る超過利益を追求する投資戦略を反映させるため 、今年1月に社名に「Alpha(アルファ)」を加えたクオンツヘッジファンド運営会社の成績が振るわない。

「クエスト・パートナーズ」から「アルファクエスト」に改称した同社の年初から8月までの運用成績はマイナス11.4%だった。ブルームバーグが確認した顧客向けリポートによると、2022年10月以降では約30%のマイナスと、ニゴル・コーラジアン氏が2001年に創業して以来、最悪の損失局面となっている。

アルファクエストの担当者はコメントを控えた。本拠をニューヨークに構える同社の年初時点の運用資産は22億ドル(約3240億円)だった。

子どもの時にレバノン内戦を生き延びた経験がリスク管理や取引に独自の視点を持つきっかけになったと語るコーラジアン氏は、ボラティリティー(変動性)が高まる局面を含め、どのような市場環境でも利益を上げられるファンドを設計した。2008年にS&P500種株価指数が38%下落した際には、プラス55.8%の高リターンを記録した。

「数学とマインドフルネスの融合」を掲げる同社は、従来はコンピューターモデルを活用して通貨や商品、株価・債券指数の先物取引を行ってきた。今月の顧客宛て書簡によると、最近になって個別株取引やキャリートレードにも手を広げている。

アルファクエストは同書簡で、「当社の取引手法には改善の余地があると考えている」と説明したが、最近の損失の理由には触れなかった。

原題:Quant Fund That Added ‘Alpha’ to Its Name Drops 11.4% This Year(抜粋)

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