急増“ランクル窃盗”一部始終

名古屋市にある自動車販売店の防犯カメラ映像です。先月午前3時過ぎ、帽子とマスクで顔を隠した2人組が、白のランドクルーザーに近づき、1人が助手席のドアに工具のようなものを押し当てもう1人は車の周りをうろついています。

防犯カメラを気にしながら作業を続けること約8分。通行人に気付かれたのか、慌てて逃げていきました。2人はいったい何をしていたのでしょうか。

G-STYLE ゴンサルべス・アンドレ社長  
「ハサミのようなもので切られて、配線もちぎられてて」

助手席のドアに穴があけられ配線がむき出しに。よく見ると1本は切断されています。

アンドレ社長
「最新のやり方らしくて、CANインベーダーという方法みたい」

CANインベーダーとは、車の制御システムに侵入しロックを解除したり エンジンをかけたりする装置。近年、自動車の盗難事件で多く使われています。

これまでの車種は、CANインベーダーを接続する配線が細工しやすい位置にありましたが、最新車種では配線を隠すなど対策が進んでいます。そのため、犯人たちは車体に穴をあけて配線に接続しようとしたとみられています。

幸い車は盗まれませんでしたが、被害額は100万円ほどに上ると言います。

アンドレ社長
「車が盗まれなかったのは安心したが、被害が大きいので悔しかった」

カーセキュリティに詳しい攪上智久さんは、CANインベーダーよりも、さらに恐ろしい手口が出てきていると話します。

カーセキュリティプロショップA2M 攪上智久 代表取締役
「もっと怖いものが“ゲームボーイ”。スマートキーを車の横で複製してしまう機械まで出てきている」

通称“ゲームボーイ”と呼ばれる手口では、ドアノブを引いた際に車から発せられる信号をもとに、その場でスペアキーを作成できてしまうのだといいます。

攪上智久 代表取締役
「車がどんどんコンピューターを沢山使って、デジタルになったからこそ、出来るようになった盗み方。“CANインベーダー”や“ゲームボーイ”にしろ、むかし映画でみていたような盗み方。『こんなのあり得ないだろう』というのが実際に起こっている」

では、ハイテク化する盗難の手口にどう対応すればいいのでしょうか?