(ブルームバーグ):米国は12日、中国が南シナ海のスカボロー礁に「国家級自然保護区」を設ける計画を打ち出したことについて、「不安定化を招く」と非難し、領有権を争っているフィリピンの反対を支持した。
ルビオ米国務長官は声明で、中国政府の動きは「南シナ海における広範な領有権・海洋権益の主張を近隣諸国の犠牲の上で押し進める新たな威圧的な試みだ」と指摘し、中国のスカボロー礁での行動は「地域の安定を引き続き損なっている」と批判した。
フィリピン政府は外交を通じ中国に12日に抗議したとエスカロナ外務省報道官が13日明らかにした。同報道官は記者団への携帯メッセージで、「中国の行動に対するフィリピンの異議を強く、明確かつ正式に表明」したと説明した。
10日公表された公式通知によれば、中国国務院は自然資源省の提案に基づき、中国が黄岩島と呼ぶスカボロー礁に国家級自然保護区を設置することを認めた。
資源豊富な南シナ海で領有権を主張し続けている中国だが、そうした言い分は2016年に常設仲裁裁判所により無効と判断されている。ルビオ長官は、中国が無視し続けているこの判断を尊重するよう米国は求めるとしている。
原題:US Rejects China Nature Reserve Plan in Sea Near Philippines (1)(抜粋)
--取材協力:Karl Lester M Yap、Cliff Harvey Venzon.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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