米電気自動車(EV)メーカーのテスラは、欧州の一部市場で10月に今年最大級の販売減少を記録した。

落ち込みが最も大きかったのはスウェーデンで、同国自動車工業会のデータによると、10月の新規登録台数はわずか133台と、前年同月比89%減となった。ノルウェーとオランダ、イタリアではほぼ半減し、スペインでは約3分の1減少した。

例外的にフランスは前年同月比2.4%増となった。ただ、昨年の10月は前年同月比47%減と大きく落ち込んでおり、今回の微増でも依然低水準にとどまる。年初から10月までの累計では前年同期比30%減となっている。

 

テスラの7-9月(第3四半期)販売台数は過去最高を記録したが、これは米国のEV向け税額控除終了前の駆け込み需要が主因だった。欧州では新モデル投入の遅れやイーロン・マスク氏のトランプ米政権への関与や政治姿勢への反発なとが響き、ここ数四半期にわたり新規登録台数は低迷している。

マスク氏を含む経営幹部は1-3月(第1四半期)の販売不振について、主力の「モデルY」の改良に向け世界の工場で改修が行われて生産が滞ったためであり、一時的な現象だと説明していた。しかし、欧州でモデルY改良版の納入が始まって数カ月経過した現在も、多くの市場で販売は低迷している。

欧州最大の市場であるドイツでは、1-9月のバッテリーEV(BEV)の新規登録台数が前年同期比38%増加したが、同期間にテスラの販売台数は50%減少した。同国ではまだ10月のデータが公表されていない。

原題:Tesla Again Posts Steep Monthly Sales Declines Across Europe (1)(抜粋)

--取材協力:Rafaela Lindeberg、Craig Trudell.

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