(ブルームバーグ):ブラジルの鉱山会社ヴァーレのグスタボ・ピメンタ最高経営責任者(CEO)は10日、同社は「銅競争で後れを取った」と述べ、合併・買収(M&A)ではなく、自社資産の開発加速によって挽回を目指す考えを示した。
ピメンタ氏はサンパウロで開催された会議の合間に記者団に対し、「われわれの成長機会は取引を行うことではなく、当社の採鉱の潜在力を伸ばすことにある」と語り、資源の「開発力においては競合他社に勝っている」と強調した。
銅は世界的なエネルギー転換に不可欠な金属と位置付けられ、鉱業業界では生産拡大を主な目的としたM&Aの動きが激しくなっている。今週には、英鉱業大手アングロ・アメリカンがカナダのテック・リソーシズの買収で合意。鉱業界でここ10年余りで最大級の取引で、実現すれば、時価総額500億ドル(約7兆3900億円)超の企業が誕生する。

ピメンタ氏はアングロとテックの合併合意について、銅市場を支える良好な需給見通しを示すものだと指摘した。
同氏は、今後の重点エリアとしてブラジル・アマゾン熱帯雨林地域におけるプロジェクト加速を挙げた。ヴァーレは今年に入り、2030年までに鉄鉱石と銅の採掘に向け同地域に700億レアル(約1兆9110億円)を投資すると発表していた。
同社は現在約35万トンの年間銅生産量を35年までに倍増させる計画だという。アレモンやバカバを含む銅プロジェクトの加速が最優先課題だとピメンタ氏は語った。
同社は25年の設備投資計画を従来の59億ドルから54億-57億ドルに引き下げた。削減対象は銅・ニッケル事業に集中しているが、これは効率化によるものであり、プロジェクト中止を意味するものではないとピメンタ氏は説明した。
原題:Vale CEO Sees Copper Growth Driven by Project Pipeline Over M&A(抜粋)
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