(ブルームバーグ):株式取引アプリを運営する米ロビンフッド・マーケッツは新たにソーシャルメディアのサービスを始める。これにより、個人投資家は同社のプラットフォームを離れずに自身のポジションを自慢したり、投資の成功を祝う挑発的なミームを投稿したりできるようになる。
ロビンフッドの共同創業者であるヴラッド・テネフ氏とバイジュ・バット氏は当初、投資情報を共有するオンラインコミュニティーの立ち上げを構想していた経緯もあり、原点回帰の動きといえる。
同社のユーザーは他の証券会社の顧客と比べてソーシャルメディアの利用が活発で、スクリーンショットやコメントなどを共有し投資戦略を比較し合っている。
新型コロナウイルスの流行期にはさらに顕著となり、多くの投資初心者がレディットのウォールストリートベッツ(WallStreetBets)に集まった。ロビンフッドは、こうしたオンライン上での投資熱を自社のエコシステムに囲い込むことを目指している。
ロビンフッドは9日の発表で、2026年前半に少人数の顧客を対象に新サービス「ロビンフッド・ソーシャル」に招待した後、利用対象を順次拡大していく予定だとしている。
投資家の全ての投稿には株式やオプション、その他資産の取引内容を含めることを義務づけ、ポジションはリアルタイムで更新される。また、投稿へのコメントも可能。
他のユーザーの1年や1日の損益状況や収益率などを閲覧することも可能となる。ペロシ元米下院議長や米著名投資家ビル・アックマン氏など有名人の情報もプラットフォーム上に表示され、その取引情報は法令に基づく公開情報が反映される。
開示文書によれば、ペロシ氏の株式は夫が保有しており、広報担当者は電子メールでペロシ氏は「株式を一切保有しておらず、いかなる取引についても事前の知識や事後の関与はない」とコメントしている。
テネフ氏は、10日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで「単なる取引プラットフォームではなく、投資アイデアを生み出し、トレーダーや投資家に新たな情報源を提供する場にしていきたい」と述べている。

原題:Robinhood Aims Social Platform at Reddit’s WallStreetBets (2)(抜粋)
--取材協力:Katie Greifeld、Romaine Bostick.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.