米議会予算局(CBO)は10日、トランプ大統領の政策を受け2025年以降の移民流入見通しを大幅に下方修正した。米人口増の見通しを引き下げることになる。

CBOの報告書によれば、今年の移民の純流入数は約40万人となる見通し。1月時点の予測よりも160万人少ない。CBOは、32年までの各年の見通しも下方修正した。

報告書によれば、米人口増を維持する上で移民に依存するようになる時期は31年と、従来予測よりも2年早まる見込み。

CBOは従来、33年には移民が人口増の主要な原動力になると予測していた。米国では同年、年間の死亡数が出生数を上回る見通し。

今回公表された数値は、「その他外国人」の移民減少を主に反映したものだ。この分類には、不法に入国して永住資格を得ていない人などが含まれる。

トランプ政権は外国生まれの居住者を巡って、国境警備強化、亡命申請の制限、一時保護資格の停止、米移民・税関捜査局(ICE)による拘束・送還の増加といった対応を取ってきた。

今回の報告書は今後数年間、労働市場の成長が低迷する可能性も示唆している。人口増が小幅にとどまれば、労働力不足のリスクが高まる。生産性向上が加速しない場合、米経済の潜在成長率は低下しかねない。

原題:CBO Slashes Immigration Estimates as a Result of Trump Policies(抜粋)

--取材協力:Augusta Saraiva.

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