米連邦破産法に基づく清算手続きを申請した米サブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスについて、米連邦地検が不正疑惑の調査ないし捜査を行っていると事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者の1人が匿名で語ったところでは、マンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地検が、トライカラーの不正疑惑について調べを進めている。別の関係者によれば、同社は検察から情報提供の要請を最近受けた。

関係者によると、トライカラーが自動車ローンを融資する際、JPモルガンとフィフス・サード、バークレイズがウェアハウスファシリティーと呼ばれる与信枠を設定し、トライカラーに短期資金を提供していた。オートローン債権を束ねた資産担保証券(ABS)は投資家に販売されていた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じたところでは、与信枠の担保が二重に設定されていたのではないかという疑惑が、司法省の調査ないし捜査の焦点の一つになっている。

同紙によれば、米銀JPモルガン・チェースとフィフス・サード・バンコープのトライカラーへのエクスポージャーは、いずれも約2億ドル(約295億円)に上る。清算申請に伴う情報開示によれば、英銀バークレイズも貸し手に含まれるという。

NY州南部地区連邦地検の報道官はコメントを控えた。トライカラーの最高経営責任者(CEO)を含む経営幹部らにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。司法省とJPモルガン、フィフス・サード、バークレイズはFT紙の取材に対し、コメントを控えた。

原題:Federal Prosecutors Looking Into Fraud Allegations at Tricolor、US Department of Justice Probing Tricolor: FT(抜粋)

(関係者からの情報を追加して更新します)

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