(ブルームバーグ):ケネディ米厚生長官は4日に開かれた上院財政委員会の公聴会で、ワクチン接種を制限する自身の措置に疑問を呈した批判者らについて、製薬会社との関係を理由にうそをついているか、利害関係があると反論した。
ケネディ氏はワクチン懐疑派として知られ、新型コロナワクチンの接種について、健康な子どもと妊婦には推奨しないと明らかにしている。
ケネディ氏は公聴会で「米国民はヘルスケアと公衆衛生に関する政策において一世一代の大転換を目撃することになると明言する」と指摘。政府のワクチン政策を助言する諮問委員会の委員17人全員を解任する抜本的な見直しや、世界の予防接種活動への支援資金削減を巡る取り組みなどについても説明した。
公聴会では、ケネディ氏が行った多くの見直しに対し、民主党議員だけでなく一部の共和党議員からも批判が噴出し、質疑は次第に険悪な雰囲気となった。自身のワクチン政策のほか、就任から数週間で疾病対策センター(CDC)所長を解任した決断について追及されると、ケネディ氏は議員らに対し「間違っている」と繰り返した。
公聴会に先立ち、CDC所長を解任されたスーザン・モナレズ氏は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿で、ケネディ氏が裏でどのように動いていたのかを含め、自身の退任の経緯を明らかにした。
それによると、ケネディ氏が自ら任命した委員から成るワクチン諮問委の勧告を全て事前に承認するよう求めたとし、こうした要請を「米国の公衆衛生制度とワクチンによる保護を弱体化させる意図的な試み」と批判した。
ケネディ氏はCDCの同諮問委の委員全員を解任した後、反ワクチン的な見解を持つ人物を新たに起用している。
モレナズ氏は「信頼された専門家を排除し、諮問委が不正に選定されれば、結果はあらかじめ決まってしまう。それは改革ではなく、破壊工作だ」と記した。
ケネディ氏はこの寄稿文について、モナレズ氏はうそをついていると反論。解任の理由は、同氏が自らを信頼に足らない人物だと認めたからだと主張した。また、CDC当局者の退任は信頼回復のために「絶対に必要な調整」だと強調した。
モナレズ氏の弁護士は公聴会後に出した声明で、ケネディ氏の主張は「虚偽であり、時には明らかにばかげている」と述べた。
トランプ大統領は4日、ケネディ氏に信頼を置いているか質問された際、公聴会は見ていないが、ケネディ氏は「非常に良い人物だ」と称賛。同氏が異なる考えを持っていることを認めた上で、「健康問題が世界で、そしてこの国でどうなっているのかを見れば、彼が他とは違うという点を気に入っている」と述べた。
共和党の世論調査担当者によると、トランプ氏を支持する有権者を含め、子どものワクチン接種に対する幅広い支持が全米で示されているという。
原題:RFK Jr. and Senators Spar in Fiery US Health Policy Hearing (2)(抜粋)
--取材協力:Madison Muller、John Tozzi、Josh Wingrove、Anne Cronin、Romy Varghese.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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