(ブルームバーグ):トランプ米大統領が犯罪対策と移民取り締まりの一環としてシカゴに派兵する可能性を重ねて示していることを受け、メキシコ独立記念日を祝うイベントが延期になった。
このイベントは「エル・グリート」と呼ばれ、13、14両日にシカゴ中心部のグラントパークで開催される予定だった。主催者側は安全確保のため開催を延期すると発表した。イベントはイリノイ・ヒスパニック商工会議所や在シカゴ・メキシコ総領事館などの共催となっていた。
前日にはイリノイ州のプリツカー知事(民主)が、今週末に連邦移民当局がシカゴで活動を強化する見通しだと住民に警告していた。シカゴではレーバーデーの祝日を含む連休中に8人が死亡、50人余りが銃撃されたことを踏まえ、トランプ氏は今週、シカゴに州兵を派遣する考えを再び示唆していた。

2028年大統領選への出馬が取り沙汰されるプリツカー知事とトランプ氏は、ここ数週間に非難の応酬を続けてきた。大統領は、連邦政府の支援を拒否するプリツカー知事を「弱腰で情けない」と批判。一方、知事は、ミシガン湖畔を市民がランニングする平穏な朝の様子を映した動画をSNSに投稿した。
シカゴは人口の約3分の1をラテン系住民が占める。地元の議員は違法性に加え、治安改善にもつながらないとして連邦部隊の派遣を繰り返し非難してきた。プリツカー知事は3日の記者会見で、6日までに移民・関税執行局(ICE)の活動が始まると見込んでいると述べた。
一方、シカゴの犯罪は減少傾向にある。例年、夏季には暴力事件が増える傾向にあるが、警察の統計によれば、今年6月から8月にかけての殺人件数は1965年以来最も少なかった。
原題:Trump Troop Threats Prompt Delay to Mexican Fest in Chicago (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.