オープンAIは来年、人工知能(AI)スキルを持つ人材と雇用主を結び付ける新たなプラットフォームを立ち上げる計画だ。AIを活用するこのプラットフォームを通じて、企業や政府機関におけるAI導入を加速させる狙いがある。

同社はまた、今後数カ月以内に、職場でのAI活用方法を教え、スキルを認定するプログラムを導入する方針。現在、米国最大の民間雇用主であるウォルマートを含む複数の企業と同プログラムの策定に取り組んでおり、2030年までに米国で1000万人を認定する計画だとした。

オープンAIのこうした雇用関連の取り組みは4日、ホワイトハウスのAI・教育作業部会の会合に合わせて発表された。会合はメラニア大統領夫人が主催し、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)やアルファベットのスンダー・ピチャイCEOらハイテク業界の首脳が出席した。オープンAIによれば、アルトマン氏はこの日の午後にホワイトハウス高官と面会する予定だという。

フィジー・シモ氏

食料品配達プラットフォーム、インスタカートの経営トップから最近、オープンAIのアプリケーション部門CEOに転身したフィジー・シモ氏は「AIは歴史上、どの技術よりも多くの人々にかつてなく多くの機会をもたらすが、同時に混乱を引き起こすだろう」とし、「われわれは混乱をなくすことはできないが、AIに精通した人材を増やし、そのスキルを必要とする企業につなぐ手助けはできる」と述べた。

人材と雇用主のマッチングにAIを活用するプラットフォームは、マイクロソフト傘下のリンクトインと競合する可能性がある。シモ氏は「単なる求人掲示板にするつもりはない」とした上で、「求職者が提供できるスキルを説明し、それを認定で証明できるだけでなく、該当するスキルを必要とする企業とAIを用いて結び付ける仕組みにしたい」と説明した。

認定プログラムについては、オープンAIはウォルマートと緊密に連携しながら策定を進めており、現在は細部を詰めている段階だ。ウォルマートの米国内の店舗や管理部門の従業員約160万人は無料で認定を受けられる見通し。

企業がAI導入を急ぐ中、一部職種がAIに取って代わられるとの懸念が高まっている。スタンフォード大学の最近の調査によると、会計士や開発者、事務アシスタントなど、AIの影響を受けやすいとされる職では、この3年間に新規就業者数が13%減少したという。

シモ氏は今後どうなるかを完全に予測するのは難しいと認めた上で、「われわれが目指しているのは、どんな労働者でも新しい世界に適応できるように解決策を用意することだ」と述べた。

原題:OpenAI Plans Jobs Platform, Certification Program for AI Roles (1)(抜粋)

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