(ブルームバーグ):スウェーデンのイケアは、中国の店舗での価格引き下げを継続する方針だ。倹約志向を強める消費者を取り込み、現地での競争力を高める。
家具小売りで世界最大手のイケアを運営するインカ・グループの最高執行責任者(COO)トルガ・オンジュ氏は2日、9月に始まった新年度に中国市場での値下げを一段と進めるため2000万ユーロ(約34億5100万円)を投じる考えを示した。上海でのブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
同氏は、「他の国との比較で、中国の価格を低くするための投資を継続している」と説明。「中国での値下げ幅が他よりも大きいか小さいかを語るのは時期尚早だが、中国はわれわれが最も投資している国の一つだ」とした。
中国でイケアは、個人消費の低迷や不動産市場の冷え込み、経済成長鈍化といった逆風に直面している。
同国の消費者は選択肢にも恵まれている。電子商取引サイトでは、イケアのデザインを模倣した低価格のソファやキャビネットなどが売られており、イケアの価格面の優位性が脅かされている。
世界的に価格引き下げを進めてきたイケアだが、需要低迷や競争激化を受け中国では特に値下げが重要となっている。
イケアが大きな存在感を保つ米国では、新たな関税によって打撃を受ける可能性がある。トランプ大統領は先月、家具の輸入に関する関税調査を実施すると発表。輸入家具に「非常に大きな関税」を近く課すと警告した。イケアは米国内にも製造拠点を持つものの、米市場向けの商品は引き続き中国などから調達しており、2024年度の米国売上高は55億ドルに上った。
オンジュ氏は状況を注視していると述べ、具体的な影響が明らかになり次第、それを和らげるための措置を講じると付け加えた。

原題:Ikea to Extend Discounts in China as Price Battle Grows (1)(抜粋)
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