カナダのカーニー首相は3日、米国との間で関税対象分野の問題解決に向け交渉を進めていると述べた。1日夜にはトランプ米大統領と「非常に建設的な」電話会談を行ったという。

カーニー首相はトロントで記者団に対し、カナダ当局者が米首都ワシントンでさらに協議を重ねていると明らかにした。

また「複数の戦略的分野で合意が成立することを期待している」と述べた。これは米国の関税対象となっている自動車、鉄鋼、アルミニウムなどの分野を指した発言だ。

その一方で、カーニー首相は合意がすぐにまとまらない可能性があるとくぎを刺した。「これら戦略分野のいずれかで、すぐに合意がまとまると期待しないでほしい。ただ、こうした協議は行っている」と語った。

1日の電話会談はこれまで明らかにされておらず、カナダ首相府やホワイトハウスからも発表はなかった。

トランプ氏は8月1日、一部の対カナダ関税を35%と、従来の25%から引き上げた。ただ米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の基準に適合する幅広い製品については関税免除を継続した。

しかし、トランプ氏の保護主義的な政策で標的にされた分野に特に依存するカナダにとって、産業別の障壁解消は喫緊の課題だ。長年にわたる経済の結びつきにより、金属や自動車は米国への主要輸出品となっている。

原題:Carney Sends Envoys to DC After ‘Constructive’ Trump Call (1)(抜粋)

--取材協力:Mario Baker Ramirez.

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