(ブルームバーグ):米マクドナルドは、飲食店業界を代表するロビー団体、全米レストラン協会から脱退した。従業員の賃金制度を巡る見解の相違が一因だ。
マクドナルドの幹部が最近、アナリストに協会離脱を伝えたことがスティーフル・ファイナンシャルのクリス・オカル氏の3日付リポートで明らかになった。
同社が反対しているのはチップ賃金制度。これは、従業員が受け取るチップを法定最低賃金の一部として扱うことを認めるもので、チップが最低賃金に満たない場合、雇用主がその差額を穴埋めする必要がある。全米レストラン協会はこの制度を支持している。
マクドナルドはコメントを控えた。同協会はコメント要請にすぐには返答しなかった。
同社のクリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は2日、CNBCとのインタビューで競争条件が不公平だと主張。「チップを認めているレストランは、人件費を顧客に肩代わりさせているようなものだ。業界全体が同じ最低賃金を支払うべきだ」と述べた。
売上高で米国最大の飲食店チェーンであるマクドナルドの脱退は、同協会にとって大きな打撃となる。同協会は、連邦・州・地方レベルで業界のためにロビー活動を展開する最大の組織。
同協会はトランプ大統領の歳出法案に盛り込まれた業界寄りの税制優遇措置の実現に尽力したほか、フランチャイズ加盟店の労働違反に対し、大手チェーン本部が責任を問われる可能性が高まる規制にも反対してきた。
チップ賃金制度は、トランプ氏が選挙公約に掲げたチップ非課税措置が大型減税・歳出法に盛り込まれたことでこのところ追い風を受けている。
ケンプチンスキー氏はチップ非課税措置を支持しながらも、従業員がチップを受け取らないマクドナルドには恩恵はないと述べている。
原題:McDonald’s Exits Restaurant Group as Wage Rift Divides Industry(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.