(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループの元コンプライアンス部門マネジャーが、育児休暇の取得を巡り不当に解雇されたとして、同行に890万ポンド(約17億6600万円)の支払いを求め提訴している。この元社員はすでに、解雇の際に性差別があったとの裁定を勝ち取っている。
ロンドンのコンプライアンス部門に勤務していたジョナサン・リーブス氏は、昨年12月、2022年に6カ月の育休から復職した直後に解雇されたとして雇用裁判所に訴え、勝訴した。裁判所は、ゴールドマン・サックスがリーブス氏が男性であることを理由に差別し、不当に解雇したと認定した。ただ、余剰人員整理の一環として解雇した可能性が50%あったとも判断した。
リーブス氏の890万ポンドの請求には、精神的苦痛に対する補償、将来の収入減少、解雇で汚名を負ったことによる複数の採用不合格に対する損失が含まれる。英国の雇用審判所では、不当解雇に対する賠償額の上限は11万8000ポンド強だが、差別が立証された場合、損害賠償は無制限となる。
リーブス氏は、裁判所に提出した文書で「自ら選んだキャリアや同等の職業に就く能力を失った。違法行為から生じるスティグマによる損失に対し、責任を負うべきだ」と主張した。
ゴールドマン・サックスは昨年の審理で訴えを否定し、数百万ポンド規模の損失を被ったとするリーブス氏の主張に異議を唱えている。同行の代理人は、リーブス氏の補償額は約12ー23万ポンドに収まると推定している。また、
ゴールドマン・サックスの広報担当者は声明で「当社は有給育児休暇制度で市場をリードしており、性別を問わず、全ての働く親に26週間の有給休暇を取得するよう奨励している。この審理における主張と損害賠償請求には、強く不同意を表明する」としている。
原題:Ex-Goldman Manager Fired After Paternity Leave Seeks £9 Million(抜粋)
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